2025年1月
すべてを心で消化していく
私たちの口から入るものは全て胃袋におさまる。地球に万物が生長する。万物はまた地球から甘露をいただいている。その甘露が万物を通して口から胃袋におさまり、私たちの栄養となっていくのであります。
この胃袋が弱い、故障を起こしやすい、消化不良になって悩んでいる人がどれほどあるか知れません
胃の患いについては、まず大根一本でも心から尊敬していただく。わがの意を用いて、好き嫌いを言わない、思わないようにする。いやだ嫌いだというのは愛ではありません。長上と目上の人を敬う。部下を愛する。万物をわがの意で区別していくような狭い心であってはなりません。
水にしても、その水が酒にもなり薬にもなります。酒一杯、薬一服といえども心から感謝していただきなさいと教えてあります。
心を広く大きく暖かく持ち使うことも、胃袋の中であらゆるものを消化していくのも同じであります。
胃を患う人には、この心の広さ、大きさが足りません。融通がきかない、単線で生一本で、 前ばかりを見て後ろを見ない。左右を見ても前を見ない。このように物の見方考え方の範囲が非常に狭い。それで些細なことにすぐ腹を立てる。わがの意を用いて自我を張る。
そうではなくて、全てを心で消化していくことが大切であります。何を見ても聞いても心におさめて消化していく。心に入ってくるものを消化する、それは心の浄化でもあります。
(出居清太郎著『誠書』第1巻より)