10月24日
諦(あきら)める心の中はひややかでいずれの世にか落ちぶれてゆく
人は思う様にならないともがいて、妬(ねた)みそねみ、世を恨(うら)み、果ては何を行っても行き詰まり、気の弱い人は精神病になり、それが繋(つな)がって肉体の患いとなり勝ちであります。又健康で我の強い人は、やむを得ずして自己満足から諦める心になります。然(しか)し、ことによっては諦めることも肝要でありますが、諦める程寂しく悲しいことはありません。なれども昔から諦められる人は最高の人と教えられて居ります。又我慢、忍耐、堪忍(かんにん)ということが出来れば、修養の積んだ人と教えられており、又己れ自身も出来ていると信じていた様であります。諦めるとか我慢するとかということだけでは、何時か又悩み苦しみが重なりまして、落ちぶれて、悲しんだりする人も多いのであります。