10月18日
人の身は仕合わせのみがあるでなく油断をすれば踏み外すなり
如何(いか)程に徳の高い立派な人でも、他人の魂を傷つけたり汚したり、又己れも傷つき汚されて居りますので、何時の世にも争いが絶えません。生命財産の奪い合い、名誉、権力の争いは、大きな不徳を積む種であります。日夜不徳の種を蒔いていることに気がつかず、又当たり前の様に思っていて、人の道に外れた行いをして居ながら、理論や理屈でことを決め、己れを改め反省せず、他人を侮(あなど)り攻撃して居ります様なことでは、何時迄たっても幸福は実現して参りません。人の生活には過(あやま)ちが多く、知らぬ為に他人に迷惑をかける様なことを思わず知らず行って居ります。それが油断となり迷いとなって、悩み苦しむ人が多くなって来るのであります。