10月3日
かるはずみ油断をせずに秋の日は心引きしめ努力ましませ
人の心は見る聞く度によきに悪しきに変化して参ります。心の持ち方、使い方によって肉体が動き、物の交流が始まります。肉体は生きるが為に良い方に働かせ、物もみだりに交流せず、人が喜ぶからといって無駄にしてはなりません。物の有る中は働きもせず、物が無くなってから努力しようと決心し、心構えも改め反省し、身の行いも正しく強くなる人もあります。言葉の交流も物の交流も、自分が嬉しいから言葉を出す、物を出す、相手も喜ぶからということだけを考えて交流しますと、それがかえって他方面からねたみ、恨(うら)みを受け、一時の喜びは悲しみになり、迷いを起こし、戴き乍(なが)ら不安になり、差し上げたことが仇(あだ)となり、無駄になることが多いのであります。