9月16日
負けまいと思えば尚も苦しみて勝つべき事も負けて行くなり
勝敗は時の運等と言って居りますが、常日頃の積徳と天地の法理をあやまらず、終生の奉仕を実行した時に勝ち抜かれるのであります。万事に努力しながら負けるということは悲しむべきことであります。人生生活は負けたり勝ったり、その為に悩み苦しみ喜びがあって、心の中も汚したり傷付けたりして居ります。徳の足らない所を改めもせず、反省もせず、弱い心を養いもせず、努力しないで福を求め、勝ち抜こうとする様なことではなりません。無理にでも福を求めようとする負けず嫌(きら)いの心をもちますと却(かえ)ってそれが心の悩みとなり、苦しみとなって参ります。勝つべき時に勝たず、負ける時に勝とうとする様な思い違い取り違いの心の持ち方、使い方は最も注意すべきことであります。又負けることは勝つ前提でもあります。