8月20日
暑いのも親の心の慈悲として教え給える道を知らねば
人は苦しみや災難に遭遇しますとすぐに動揺顛倒(どうようてんとう)して、早く悩みや苦しみから逃れようとする弱さを持って居ります。苦しみや悩みの出て来る原因を知らないで、悪いことをしたから、身の行いが悪いから、心懸けが悪いからと、僻(ひが)みを持ったりこだわったりしてはなりません。身の行いが悪く、心がけが悪いから戒(いまし)めを受け、注意をされることは勿論でありますが、自分は善い行いをし立派な心がけを持って居りましても、他人の不注意、又悩み苦しみを引き受ける時もあります。この様に人を救うための善行は得難い美徳であって、不徳の補いどころでなく一層徳を高めることになるのであります。借財をお返しする人と、富を積み重ねる人との差は、長い間には天と地程の違いとなります。