日々のみおしえ - 7月17日

7月17日

喜びの心の中に油断せば大道の道もふみ外すなり

喜びを求めようとして努力をしながら、喜びを与えられるとそれに慢心を持ち、油断をしたり中弛(だる)みをして、喜びを削ることが数多いのであります。常に不自由な時を思えば、喜びに接した時に自惚(うぬぼ)れや油断は出て参りません。喜びの時に不自由な時と同じ様に心がけることは苦労でありますが、喜びの時も苦しい時も同じ心がけを失わなければ、極度に変化が有りましてもさほどに迷うこともなく、顛倒することも少ない。冷たい風も僅(わず)かの隙間からはいります。人が住むにしても二階に住めば下は分かりません。前ばかり見れば後ろは見えません。常に油断せず注意をし乍(なが)ら過(あやま)ちを少なくし、人の生活に迷惑をかけない様に、人の道を外すことなく、日一日と誠の業(わざ)に励み、徳を積み及ぼして行かれる様に心掛く可(べ)きであります。