5月21日
喜びの種を蒔きたるその方は徳も力もみちて来るなり
お互いに喜びを分ち合って行くには、己れを虚(むな)しくして徳を積み及ぼすことであります。喜びは一時的のものでなく、終生の奉仕でなければなりません。大恩に報い人の恩義に報いることは限りがありません。其の時だけやればそれでよいという様なことではなりません。種を蒔いて丹精をし、艱難(かんなん)の積徳があって初めて実るのであります。人の心を温め清め、悪質の心を正しく強くし、又弱い人を動揺顛倒(どうようてんとう)することの無い様に導くことは長い年月がかかります。草木にしても花を咲かせ実らせる迄には苦心と努力がいる様なもので、ましてや人格を完成させることは一生涯かかっても不可能であります。汚れた心を知らずにおれば、又傷付いた心を知らずにおれば、汚れや傷が広く大きくなって人生生活を破壊して参ります。