5月9日
心こそ己(おの)が心でありながらままにもならぬ愚(おろ)か者かな
世の中の物体を我が物と思う心の人と、借り物であると思う心の人とありますが、我が物と思う心になりますと苦しい迷いが生じて参ります。借り物と思えばある程度迄我慢、或は諦(あきら)める所迄いきますが感謝にはなり得ません。人の心は神よりの分けみ魂として譲られて居りますので、人の作った法律によって人の心を自由に束縛する様なことは出来ません。その心の動きによって肉体が動き、物が動いて参りますので、心の動きが狂えば肉体の動きも、物の交流も、喰い違いとなり、交流することが反対になってまいります。物の貸し借りにより、売買によって狂いが出るのは、誠の道を踏み外し、誠の心にならない為で、取り違いが生じて争いとなる場合があります。ままにもならぬ愚(おろ)か者かな