4月26日
見る度に又聞く度に喜びを人に与えて我もよろこぶ
人の心は虚栄心が強く、我執と貪欲の為に、見る度に又聞く度に、心の持ち方、使い方が善きに悪しきに変わって参ります。眼や耳を通じて心で見聞きするのでありますから、見たり聞いたりすることは各自の心が濁っていては、響いて来るものが悪意になります。若(も)し悪意にならずとも忘れてしまいます。善いことを見、善いことを聞く、之(これ)が心にしみ込み、心の役に立ち、身の行いに役立つ様でなければ、見ることも聞くことも無駄となります。己れの欲するものは人にも与え、人のよろこびも妬(ねた)まず、そねまず、より以上よろこんで上げられる様な広い暖かい心を養わねばなりません。