4月23日
何事も知らぬ間はよけれども分りてゆけば迷い出てくる
人が生きて行く為には、あらゆることを修め、学ばなければなりません。なれども学び修めても実行せねば、ことを知ったというだけで、役には立ちません。役に立つから生きられ、伸びられるのでありまして、役に立たねば生き甲斐もありません。努力をしながら不幸に陥(おちい)る人もありますが、それは努力が足らないわけでも無く、其の人の行っていることが逆な方向に進んでいるか、心の持ち方、使い方が我執と貪欲であるか、それを判断せねばなりません。物を稽古する間はそのことを忠実に行いますが、少し分かりかけて来ますと自慢高慢或は油断が出来まして、失敗におちいることもあります。又迷いを起こし、それが成立しませんと悲しみとなり、実りもせず花を咲かせるだけで途中に終わる人もあります。