日々のみおしえ - 3月16日

3月16日

世の中の凡(すべ)てのものは借り物で奪い合いするものでないので

人は生活していく為に必要なものが与えられますが、与えられた物を、自分の努力によって与えられるのだから自分の物であると信じて、離すまい、人に上げまいと、自分の持物の様に心がける人が多い。それは形ある物が借り物であることを心から認識しないからであります。我が物である、借り物であるという考え方は、大分隔(へだ)たりがありますが、物を取り扱うにも、借り物であると考えて大切に扱えば、我執と貪欲が少なく、争いも少なく、交流することが出来ます。物の交流によって人の心というものは善にも悪にも動いてまいります。生きる為にはどうしても物によって心が動いてまいります。それ故に物の為ならば生命も捧げる心になります。