孫のことではなく、私たちのこと
私はいままで、教えの書物を読み、お話を聞かせていただいても、文字や頭ではわかるのですが、教えを日々の生活にどのように活かしていけばいいかがわからず、何もできていませんでした。しかし最近、ああ、こういうことなんだなぁと気づくことがありました。
孫が修学旅行だということで、主人がお小遣いをあげたいから渡してほしいというので私が預かりまして、孫に、「おじいちゃんからお小遣いですよ」と言って渡しました。その後、孫は主人に何回も会うのですが、「おじいちゃん、お小遣いを有り難う」という言葉がないのです。そんなことで私たちは二人で、やっぱり初めての子で親が甘やかして育てているからねぇと、母親にべったりだった小さい頃の孫を思い、そんな話をしていました。
そのうち孫が修学旅行から帰りまして、お土産を持ってきてくれました。主人は留守で、私が「有り難う」と受け取りました。二、三日後 私が留守の時に孫が来て、「おじいちゃん、お土産はどうだった、おいしかった?」と聞いたそうです。「おいしかったよ」と主人は答えたそうです。その会話を主人から聞いた私は主人に、「あなた、おみやげ有り難うと言ったの?」と聞きましたら、主人は「言わなかった」という返事でした。
その時、ああこれだ、こういうことなのだなぁと私は思いました。それで主人と話し合いました。「有り難う」の言葉が孫にないのは、これは孫のことではない、私たちのことじゃないの、それを彼女が教えてくれたのよ…と。何事も見せられることは自分にあるという教えを思い出し、自分を反省することができ、その時はすごく嬉しく思いました。また、主人と今までこのような会話をしたことがなかったのですが、こういう会話ができたことが、私にとりまして嬉しいことでした。
I女 会員の手記を基に一部編集したものです