10月26日
人の身は朝な夕なに努力して徳にもならぬ人もあるなり
一日、朝、昼、晩、朝は一、昼は二、夜は三。一日一代、旭日が東より出て西に没する迄の一日は一代と信じなければなりません。朝は一日の出発であり、万物の始め、此の世の始めであります。朝、油断をしたり、不平を思い不満を言うて、床から起き上がることに喜びもせず、起き上がっても誠実さが無ければ、昼の喜びも悲しみとなり、夜の楽しさも闇(やみ)となって、一日を不愉快に過ごすことになります。天地自然の法則を学び修めよと教えてあるのは、先ず一日の言動から学び修めて実行せねばならないということであります。明日の日があるからという様な自惚(うぬぼ)れや油断は決してなりません。一で出発、二で改め、三で反省感謝し乍(なが)ら、誠業に喜び励んで行かれる人こそは、真に幸福な人であります。